運命を生ききる

 天候に抗うことはできない。

 同様に時代を選ぶことはできない。

 生まれた時代が定めとして前に立ち塞がる。

 

 雨の日の次には晴れの日が来る。

 天候は変わるが、選ぶことは無論できない。

 

 「魂のゴング」

 新日本プロレスの解説をしていた古舘伊知郎アナがしきりにアントニオ猪木のプロレス中継で発していた。

 

 既にある筋書きが運命だとして

 その絶対的なものに対峙し

 その人生にゴングを鳴り響かすことで

 身体に潜んだ何かが閃光のように自発する。

 

 それすらも筋書き運命かもしれない。

 でもいいではないか。

 

 運命は鍔迫り合いの中で磨かれていく。

 

 現代の若者に感じる純粋さに触れる度に、近代社会で教育され、希望という実態のないものと身体が切り離され、見込み違いの人生に、いつのまにか無力を感じ、こんなはずではなかったと日々を過ごし、そしてある日突然、老いを促進させた身体と出会う、そんな危うさを感じる。

 

 私もそうだった。

 

 でも、その身体の中の少しは残された若さのカケラから、微かではあるが、地響きのような躍動を感じることが天啓となった。

 

 地響きは、小さな響きを他者と同調させながら、大きなムーブメントになる。

 アースされた地を這う響きはやがて地球という大地を巡って、やがて上昇し、気流が風を生む。

 

 はじめて身体がイキをしていたことを感じられる。

 深呼吸とはまったく違った空気が腹に入ってくる。

 

 自身が全力で筋書きに抗う理性を純粋に批判する自己を精神と例えるならば、精神ではなく心で生きたい。

 

 であれば老いも一興ではないか。

 

 きっとそれが、私がなぜ稽古を続けてきたのかの一つの答えだと思います。

 

 

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2025/7/24  Sosuke.Imaeda