サーフィンJPN on Shintai

 野口晴哉先生は気と水の波に注目されたという。人生に波があるように脊椎にも波があると思う。

 

 脊椎は頸椎が七つ、胸椎が十二、腰椎が五つ、仙椎が四つ、それから尾骨がおよそ四つとだいたい32個の骨で成り立っているが、都度秋波を送ってきているのは二つから三つあり、その波にある種の集注で乗れば、身体は快調になる。

 

 ただ、海にはいればわかるが、波も深さによって様々な波があり、深くなればなるほど、その潮に引っ張り込まれる、海面と海の中が全く逆の流れだということもよくあることだ。

 また秋波に誘われて乗っていいかというのも、大問題で、実は本命は違うところにあったりする。

 

 集注する場所は、ある種の技法で関連を見定め、位置と深さを考えないといけない。

 私は、サーフィンは門外漢だが(おおいにサーファーには憧れ尊敬してます)きっとサーフィンも波の位置及び深さを見定め、ポイントを時間軸でいくつか柔軟に選びながら乗っているのではないかと思う。

 

 サーフィンは波を辛抱強く(時には数年も)待って、待っていた波がきたら、その一瞬に全人生をかけて乗っていくということがとても整体に似ていると思う。波を変えることはできないし変えてはいけない。波を選ぶのは長年の修練による直感で、選んでしまったら、全身全力で呼応していかなければ、渦に巻き込まれてしまう。その場、その時がおそろしいほど真剣。それは私の考える美しき整体のようです。

 

 

 いつも操法を受けていただいている方が、自分でいくら勉強してやっても、先生に触れてもらうと全然違う。とおっしゃっていたが、おそらく自身で発見する波の周期と私が触れるところは微妙に違うのではないかと思う。

 

 自分のことはなかなかわからないものだ。人から見た身体と自分の感じた身体のズレが人生を面白くしているのかもしれない。

 

 時には自身では知り得なかった波に全身を委ねてしまうことが、新しい身体感を得られるとは思いませんか。

 

 

 6月11日、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンさんが亡くなった。きっとビーチボーイズがいなかったら、ポップはかなりつまらないものになっていたように思う。たくさんの素敵な音楽をありがとう。ご冥福をお祈りします。

 

2025/6/16 Sosuke.Imaeda