稽古終わりの電車の中で、今枝氏と亡くなった親の話をした。
そのせいか、一人になってからふと私の師である北村氏の言葉を思い出した。北村氏は、リハビリテーションでは、障害を負った患者さん自身が「もしかして出来るかも」と思ってもらうことがほぼ全て、と言っていた。
しかしセラピスト自身の思い込みによって患者さんの『できるかも』を邪魔をしてしまうことがある。思い込みを取り除く事は非常に難しい。
先日の稽古では、今までと全く違う目の使い方を学んだ。今まで見えていた事象が違って見えることは、私の思い込みを変えて行けるだろうか。
令和6年5月23日 理学療法士 宮本清隆
【今枝後記】
私は20年間、野口晴哉先生のおっしゃる整うということを身体教育研究所で教えを受け稽古をしてきました。その中で私が強く感じているのは、どんなに困難な状況においても、身体が整っていく方向性は、本人の「出来るかも」といううっすらとした身体感覚の発芽が出発点だということです。
その気づきを、押し付けではなく、どうやって自然に得てもらうのか、それが私たちの眼目です。
毎月、理学療法士の宮本先生とは密度濃き個人教授を通し(私の月一回の楽しみでもあります)新たに経験する偶然とも必然ともいえる身体感覚に新鮮な驚きを共有させていただいてますが、今回、このことについて、とてもわかりやすい文章をいただいたので、許可を得てここで紹介させていただきました。
「例えそこに前例がなくとも、困難を克服する可能性を奪う権利など何人にもない。
ほんのわずかな可能性であっても、それが育つ過程において腹の底から地鳴りするような真のチカラは生まれる」
2024/5/28 Sosuke.Imaeda
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