「どんな稽古をするのですか?」
と聞かれる時、私は「身体に流れる感覚に集注する稽古です」と答えます。
そして「ぶつかって痛いとか、お風呂が熱いとかいう刺激により発生する感覚ではないです」と一応誤解のないよう付け加えます。
そんな時お聞きになった方は「身体にある感覚?」とやや戸惑われます。何か掴みがたいものを想像するようです。
でも身体には意識することとは無縁の感覚が実としてあります。
近代に生きる我々は、非科学的という理由でその静かな流れとはほとんど無縁に体を使うようになりました。
私たちは「身体を美しく整えたい」本能があるように思えます。
しかしよく注意すれば誰もがわかるはずなのに、頭をフル回転するばかりで「身体全体を流れる感覚」に目を向けることには目配りしてきませんでした。
この掴みがたくなった「身体の感覚」を扱うためには身体への「集注」という手法が必要になります。
さらにそれを妄想の世界ではなく地に脚をつけた力強いものにするために「動法」を学ぶことも不可欠となります。
稽古では「動法」によって身体を正しく動かす「型」の意味合いを知り、「集注」によって「身体感覚」を彫刻するかのように体という空間に刻むのです。余韻として訪れるのは、ただただ静寂な集注という空気です。
私の経験では、稽古が終わった日は、雑念が消えるというか、何か自分の中の感覚がまとまっていくのがわかります。稽古前にあった不平や不満、自分への過剰な期待、卑下などはどこかに消え去り、何やら満たされた大きな心が、不動の自信が、根拠なく身体にやってきています。やがて心身が静かに満ちていること気づくのです。
稽古内容については、言葉で理解するものではないので実際に身体で感じて体験してみてください。
みなさんは畳の部屋で生活したことはありますか?
稽古場の畳は沖縄の琉球畳でヘリがないのですが、まずはそこに大の字になって寝てみてください。
背中でゆっくりゆっくりと静かに呼吸をするようにすると、なんと畳みが呼吸しているのが感じられます。
駒込稽古場の畳はある理由があって、ひんやりして気持ちいいですよ。
拙い表現でつらつらと綴ってきました。
でも生まれてきたからには、何かに恐れて、老いることに落胆して、環境にあきらめて、ため息をつきたじろぐのではなく、感覚世界をひろげ、胸を張って力強く生きていきたいです。
今置かれた環境を変えることはできなくともあなたの受け止め方、感じ方は身体を教育することによって多くの多様性を習得することが出来ます。
あなたが違うあなたの感受性を持てた時、あなたの知ったあなたはそこにはいません。
そしてあなたのみる世界はきっと違って見えるはずです。
【駒込稽古場】公益社団法人整体協会身体教育研究所の稽古場です。
個人教授及び操法を行います(複数人での個人教授も可能)。定期的に動法稽古会も実施しています。
【講師】今枝壮介
1957年 東京都港区出生、現在埼玉県在住
身体教育研究所の動法教授資格、技術研究員資格を得て、2021年3月19日に駒込稽古場を開設。
【日時及び費用等】
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令和4年6月26日更新
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