「モーニングショー」というテレビ番組で、これまでは腸と脳の関係が主に扱われていたけれど、最近は胃と脳も相互に関係しあっているということもわかってきたということを話してました。一方通行ではないということですね。局処に着目しすぎると全体における相互の関係性の働きを見失ってしまう、そんな近代医学も徐々に変わってきているのだと思います。

 身体教育研究所で稽古をしていると、身体は全体で相互に助け合いながら生きているということを実感します。身体の一部が欠如した時こそ、身体は目覚め、本領を発揮します。身体に潜んだチカラを感じる都度、ワクワクします。

 最新医学を持ってしても、胃だけを観察すると若い人の胃と、年取った人の胃の区別はつかないそうです。胃そのものは歳を取らないと解説していましたが、年齢とともに老化していく組織と年齢を重ねてもさほど変化しない組織との関係性なども身体を研究するうえでとても興味深いですね。

 私たちは、近代科学的アプローチではなく、より自らの身体の能力を、可能性を見つめ、長い歳月をかけ精緻に研究されてきた理や技法を持って、身体を観察し、その神秘に心を震わせつつ、一方では無自覚的な整体を行います。

 

 そしてこの思想に対する根本には「変化」というものがあると思います。

 固定し形骸化した知識や技法はそれに心を奪われ、変化していく現実を見失わせます。人は老い、既知・時代の価値は変わり、頭も、心も、体もそれらの視点は思考とは関係なく変化していきます。

 

 私は師事する身体研究所所長の教えを生活の中で実践することにより、消化・会得し、稽古に来られる方がその方の感じ方で習得できるように教授や操法をしています。

 答えをお教えするのではなく、ご自身のハテナを探究し、変化させていくための技法を解説し体験していただきながら、結果としてご自身が変わっていかれるよう、本当のチカラをおつけになられるよう稽古をするように心がけております。

 美味しいものを与え続けられた生き物に未来はありません。なぜなら昇華という大切な能力を使わなくなるからです。人は自ら汗水を流し、苦悩してこそ、その生のよろこびを実感できるものではないでしょうか。

 駒込稽古場は文京区立神明公園に面し、東南からの明るい陽射しが差し込む閑静な茶室のような稽古場です。

 入口への小道は天祖神社へ向かうかつての参道です。近くには神社、寺が多く点在し、東京大学をはじめ多くの文教の地域ともなっております。

駒込稽古場講師 今枝壮介

公益社団法人整体協会身体教育研究所 技術研究員 動法教授資格者

 1957年 東京都出生 現在 埼玉県在住

身体教育研究所所長に師事、2021年1月1日に資格を得て東京都文京区に駒込稽古場を開設。

 

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