不死

「AIにも死が必要だ。例えば人が亡くなってもアバター(分身)だけが生き続けたらどうなるか。サイバー空間で永遠に生き続けるのは、それは生物ではない」(2023年9月17日、日経経済新聞 NTT澤田純会長)

 米国ではすでに数年前からクラウド(ネットワーク上のデータ保存)にあなたの全てのデータを保存するので、あなたは不死になるというサービスがあるらしい。

 

 とても気持ち悪い世界だ。

 身体の喪失した世界。

 そこに人間は存在しているのだろうか。

 

 測定しうるものだけが初めて科学として認知されるのであれば、測定し得ないものは存在しないという、当たり前の不確実さを、専門家の見解を自己の見解とみなしていく精神構造を、生命に対する不誠実さと感じるのは僕だけではないだろう。

 

 ロボットは精巧に作れば作るほど、有用になり人間らしく動作をするが、実はいつまで経っても人間には届かない。

 そもそもベクトルが違っている。

 

 いまこそ、生物を生物足り得るために、もっと違った角度からのアプローチが急務ではないか。

 

2023/9/19 Sosuke.Imaeda