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mimic ものまね

とても幸運なことに社会人となって30歳目前に哲学者の坂部恵教授(故人)の講義を1年間聴講することができました。カント哲学の第一人者にも関わらず、日本文化のお話を熱心に講義されていたお姿が今でも忘れられません。

能のお話を通じた世阿弥の「離見の見」の講義、「ふるまい」「ペルソナ」「かたり」などを題材とした講義、時がたてばたつほどそのリアルティ、本物感を感じます。

 

講義中「mimic」つまり「ものまね」という言葉を何度か扱われた事はとくに印象深いです。世阿弥の著書でも「ものまね」の重要さは説かれていて、日本文化探究の側面からもう一度真剣に研究してい期待です。

 

「動法」を稽古すると「ものまね」により身体作用も、感じ方も変わって行くことがわかります。もちろんただうわべだけの形をかえてもそれはあまり感じませんが、あるツボにはいるとものまね相手の事が実感としてわかる時があります。

 

「ものまね」侮れず。

 

 

3/6/2018 Ursus maritimus