愚鈍な真剣さ

 「1979ウイスキー」と言う曲をご存知だろうか?

知っている人は、ほとんどいないはずだ。

 

 私の学生時代つくった曲だ。

 

 最近、表参道にフェンダーのフラッグシップ店ができた。

(フェンダーとは米国のエレキギターの老舗です)

 そこで見つけた1960年代の白黒写真。

 当時のサーファーチャンピオンがサーフィンしながらフェンダーギターを弾いている。

 

 彼は愚直な真剣さで、人生をエンジョイしている。

 

 そういえば、タワーレコード全盛期のコピーに「NO MUSIC NO LIFE」というのがあった。

 

 私もかつていつもそばに音楽がいた。

 

 そしていま

 

 いついかなる時にも身体感覚に集注できるように稽古するのが楽しい。

 老いていく体に「身」の感覚を注入する。

 荒波溢れる現実を、すぐに消えてしまう「身」で満たし、サーフしているその実感は、愚直な真剣さで、人生をエンジョイしている写真の男に重なる。

 

 時にはバランスを崩して、投げ出され、時には、全然波さえ来ない日もある。

 

 しかし、どんなに孤独でも、愚鈍な真剣さで待っていれば、潮時は来る。

 

 だからやめられない稽古。

 自分の萎びた体に「身」が入ってくる瞬間は何より楽しいんです。

 

 ps.私は下戸(涙)

 

2023/8/18 Sosuke Imaeda